会うと些細なことで笑い合ってる。
バカなことをしてツッコんだりするけど、本当はエルボーとかキックとかじゃなくて君に触れてみたい。
友人たちにはキミの魅力も、この煮え切らない関係も全く理解されないけど、それでも一歩踏み出してこの関係が壊れてしまうなら、今のままの君との関係で十分幸せだ。
きっと僕が好きな人は永遠に僕のことを好きにならないから―
2015年に「火花」で芥川賞を受賞した又吉直樹が、2017年「別冊カドカワ 総力特集『又吉直樹』」に書き下ろした恋愛エッセイが原作。
監督・脚本は、新進気鋭の劇作家として活躍する演劇ユニット「玉田企画」の玉田真也。又吉作品特有の平凡な日常のささいな瞬間を切り取る優しい目線と、玉田監督の空気を鮮明に映し出す脚本・演出で、恋愛を経験した人なら誰でも共感できる切なさや痛さが散りばめられた等身大の恋物語。
世の中にあふれる恋愛映画とは一味違う、純粋すぎる男目線の片思いが観る人の心を揺さぶり、「好き」というたった二文字を伝えることが、恋をすると何よりも尊いものだと教えてくれる。